格安SIMなど他社キャリアへMNPするのは本当に得なのか?どうするのが一番安いのかの考察

ソフトバンク看板

楽天モバイルが第4の通信キャリアとして登場し、通信キャリアや格安SIMなどのMVNO業者が低価格の料金プランを打ち出してきており、誰しも毎月のコストを抑えようと考えている時期かと思います。

私自身、Yahoo!モバイルや楽天モバイルへ乗換をする方がランニングコストが抑えられるだろうと思ったが色々とシミュレーションをしてみると、なんと現状維持でソフトバンクのままでいた方がお得であると言うことが分かったので解説してみたいと思います。

他社への乗換は本当にお得なのか?

ソフトバンクの実際の料金について把握する

ソフトバンクの実際の料金

2020年3月の実際の料金は上記の通り「5,359円」。仮に、楽天モバイルUN-LIMITへ乗り換えれば1年間は無料なので絶対に乗り換えた方が得だろうと誰もが思うかも知れない。ただ、それは端末を一括払いにして残債が無い場合の話。

割賦契約で端末を購入していたら話は変わります。

まず、上記金額の内訳を把握してみましょう。

機種代金(分割支払金/賦払金) ※①3,110円(支払残金額83,970円)
通話基本プラン3,900円
通話基本プラン専用2年契約-2,700円
定額オプション1,500円
通話基本プラン3,980円
家族割引-300円
定額オプション-3,680円
データ定額 50GBプラス5,980円
おうち割 光セット-1,000円
みんな家族割+-1,500円
ウェブ使用料300円
ソフトバンクWi-fiスポット467円
ソフトバンクWi-fiスポット無料特典-467円
テザリングオプション499円
ユニバーサルサービス料2円
1年おトク割-1,000円
下取りプログラム(機種変更) ※②-3,750円(割引残金額 39,300円)

この内訳の中で、キーポイントとなるのは、※①の機種代金と※②の下取りプログラムの割引金額である。

仮に、楽天モバイルへ1年無料につられてMNPをした場合、楽天モバイル側の最初の1年間は料金が一切発生しなかったとしても、機種代金の3,110円は支払が完了するまで毎月支払わないといけないことになる。しかも、割賦契約は48回払いにしていて残り27回も残っている

で、※②の下取りプログラムであと39,300円も残っているので、MNP時にはこれが差し引かれるかと思えばそうでは無い。

ソフトバンクに確認したところ、MNPなどで解約をした場合、この下取りプログラムの割引額は消滅するとのこと。

ということは、下取りプログラムの割引額が残っている場合にMNPをしてしまうと残金分をドブに捨てるようなことになってしまうのです。(こういうことを考えると、機種変更時には中古ショップに買い取ってもらってた方が得ということになりますね)

MNPした場合のランニングコストはどうなるのか?

では、上記の点を踏まえてMNPしたことを想定し、コストを考えてみたいと思う。今回私が検討した乗換先はYahoo!モバイルと楽天モバイルなので、ソフトバンクとこの2社に絞って比較してみます。

※MNP、新規契約時などの事務手数料等は考慮していません。

キャリアソフトバンクYahoo!モバイル楽天モバイル
月額料金5,359円初月:2,680円
2-7ヶ月:1,980円
8ヶ月以降:2,680円
無料
端末の残債支払上記金額に含む3,110円3,110円
1年目の合計金額64,308円65,280円37,320円
2年目以降の月額料金
(端末残債含む)
5,359円5,790円6,090円

まず、上の表をみると分かるとおり、端末の残債金があるせいで1年間の合計料金ではYahoo!モバイルはソフトバンクを上回ることになってしまうので、この時点でYahoo!モバイルは選択肢から外れます。

続いて、楽天モバイルは1年目は安いにしても2年目以降の月額料金はやはり端末の残債金が大きく響き、ソフトバンクを上回ることになります。

ソフトバンクの「メリハリプラン」に切り替えるとどうなるのか?

メリハリプランは月々のデータ通信量が2GB以下なら、勝手に1,500円割引になるというプラン。
このメリハリプランに切り替えて、毎月の通信量を抑えることができた場合のランニングコストはどうなるのかシミュレーションをしてみる。

※メリハリプランに変更した場合、基本的には前述の料金設定とあまり変わらないので前述の価格から1,500円を割り引いて試算をします。

キャリアソフトバンクYahoo!モバイル楽天モバイル
月額料金3,859円初月:2,680円
2-7ヶ月:1,980円
8ヶ月以降:2,680円
無料
端末の残債支払上記金額に含む3,110円3,110円
1年目の合計金額46,308円65,280円37,320円
2年目以降の月額料金
(端末残債含む)
3,859円5,790円6,090円
2年目の合計金額46,308円69,480円73,080円
2年間の合計金額92,616円134,760円110,400円

ソフトバンクで通信量を2GBに抑えることが出来れば、2年間の総合計金額は圧倒的にソフトバンクが安いことになります。

毎月のデータ通信量を2GBに抑えることは可能なのか?

ここで、問題になってくるのが本当にデータ通信量を2GBに抑えることが出来るか?ということです。実際に2020年4月に入ってからの1週間の通信量はなんと1GBを超えてますので、2GB以下にするのは至難の業と言えるかも知れません。

LINEやFacebookなどのSNSアプリで写真をアップするだけでも結構な通信量がかかりますので、2GB以下にするって言うのは正直、無理っす。となると先ほどのシミュレーションは絵に描いた餅になってしまいます。

では、2GB以下にするにはどうすれば良いのか?

iPhoneのデュアルSIM機能と楽天モバイルを活用する

iPhone XS以降の機種にはeSIMを利用してデュアルSIM化することが可能になります。デュアルSIM化すると、データ通信と通話回線をそれぞれ異なる回線で利用することが可能になります。

勘の鋭い方なら既にお気づきかと思いますが、楽天モバイルのeSIMを活用すれば1年間は無料でデータ通信ができるわけです。

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楽天モバイルをiphoneのデュアルSIMで利用

通話回線はソフトバンク、データ通信は楽天モバイルを利用すれば最初の1年間は確実にソフトバンクの通信量を2GB以下に抑えることが可能になります。但し、2年目以降は楽天モバイルの料金が発生してしまうため、1年経過後は解約することが前提です。

キャリアソフトバンクYahoo!モバイル楽天モバイル
月額料金3,859円初月:2,680円
2-7ヶ月:1,980円
8ヶ月以降:2,680円
無料
端末の残債支払上記金額に含む3,110円3,110円
1年目の合計金額46,308円65,280円37,320円
2年目以降の月額料金
(端末残債含む)
5,359円5,790円6,090円
2年目の合計金額64,308円69,480円73,080円
2年間の合計金額110,616円134,760円110,400円

1年間ソフトバンクでデュアルSIM運用し、1年経過後からは2GB以上利用した場合のトータルコストは楽天モバイルにMNPした場合と大差ない結果になります。

ただ、楽天モバイルはAndroid端末を利用する事で通話料が無料になるため、iPhoneでは通話料金(20円/30秒)が発生してしまいます。通話料金のことも考えるとソフトバンクの24時間通話無料「定額プラン」の方が断然お得になります。

以上の事を考えると、月々の安さに惹かれてMNPするよりもソフトバンクを継続した方がお得ということですね。

再度お伝えしますが、今回の考察は「端末の残債が残っている場合」なので一括払いしている方、もしくは、もうちょっとで支払が完了する方であれば今すぐにでも他社キャリアへ乗り換えた方がお得になる可能性は高いので、まずはご自身の契約内容をあらためてチェックすることをおすすめします。