総務省は2015年5月から、SIMロックを解除してどの通信キャリアのSIMカードでも利用できるよう義務化することを発表しています。
そして2014年12月22日にそのSIMロック解除に関するガイドラインを改正したのでちょっとまとめてみる。
そもそもSIMロックって何?
スマートフォンやiPhoneには「SIMカード」というのが入っているが、SIMカードの大きさの規格は統一されていても、カードの中身が異なっており、他の通信キャリアのSIMカードを入れても機能しないようになっている。(ドコモ以外)
例えば、SoftBankのスマホに入っているSIMカードを、同キャリアのスマホへ差し込めば普通に通信ができるようになるが、これをauの端末へ差し込んだ場合はまったく機能しない。そのため、ユーザーはauの端末を使いたいときにはauで新たに機種を契約しないといけない。それがXperia Z3の様に同一の機種であってもです。
(ここからは私の勝手な思い込みです。)
なぜその様な仕組みになっているのかというと・・・ユーザーが新機種を契約して、他キャリアのSIMカードで利用ができることになると、、、、キャンペーンを打ってせっかく新規獲得したユーザーが他社へ流れていく可能性が高くなるためである。
通信キャリアというのは、端末でお金儲けをするというよりは、毎月の通信料金で稼ぐというビジネスモデルなので、ユーザーが端末代金だけ支払って、他のキャリアへMNPされてしまったのでは意味が無いのである。
そのため、端末料金を分割払いし、毎月の通信料金から端末料金を割引して実質0円になる施策をとり、2年縛りにしてユーザーを他キャリアへいかせないようにしている。また、SoftBankとauの端末はほとんどがSIMロックとなっているので、ユーザー側としてもキャリアを変更するとまた新たに機種料金を負担しないといけないため、なかなかキャリア変更ができないという抑制がかかっている。
実は、「SIMロック解除に関するガイドライン」は平成22年に策定されており、各キャリアに自主的に実施を求めていたようだが、通信方式や周波数、プラットフォームが異なるという理由でなかなか実現できていなかったようだ。
ところが、最近のLTEやスマホの普及拡大によって通信環境の仕様が共通化されつつあるということでSIMロック解除の義務化が可能になったようだ。
SIMロック解除義務化について
総務省が発表した「ガイドライン」によるポイントをまとめると、
- 原則販売した全ての端末についてSIMロック解除に無料で応じること
- 通信事業者は対象端末や運用方針をあらかじめ公表すること
- 端末契約時、解除時にはSIMロック解除についての注意点など説明をすること
- SIMロック以外の機能制限についても解除するよう努めること
- SIMロック解除後の端末に関する問い合わせ窓口を明確にすること
このガイドラインは平成27年5月1日以降に発売される端末について適用すると記載されている。それ以前の端末については平成26年12月改正前のガイドラインの趣旨に沿って適切に対応することが適当であるとのこと。
現在販売されている端末をSIMロックする場合の注意点としては、改正前のガイドラインに沿って解釈していくと、
ということです。
いずれにせよ、ユーザーが端末をどのキャリアで利用するか選択肢が増えていくのは良いことですが、各キャリアの料金体系が複雑化していくことが予想されるのでユーザー側はきちんと情報を収集し、理解しないといけない様になってきますね。
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